#30《京ことば・京料理・京案内(2)》
                                      
                                                             2007.11.20
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京案内は寺社等の観光案内と同時に、食事の案内もしなければならない。
朝食は滞在しているホテルで済ますので気にしなくても良いが、昼食と夕食については、どの料理にするか、どの店にするかで気を使う。

折角、遠いところから日本に来たと言うので、西洋料理や中華料理は避けて、日本料理ということになるが、代表的な日本料理の何処にでもあるような、すし、てんぷら、しゃぶしゃぶ等の料理は、京都に来る前や後の東京見物の折にアレンジされており、これらと重複しないということで、京料理の店を探すことになる。

しかし、湯豆腐、湯葉、会席、懐石、精進、家庭料理風の“おばんざい”等に代表される京料理は、我々日本人には何とかその違いがわかるが、初めて訪れる外国人には全く同じように見え、滞在が2日目以上になると、昼食や夕食を何にすれば良いかで頭を悩ます。
こうしてみると、京料理は外国人を案内している限りにおいては選択肢(種類)が以外に少ないと言える。

 * * * 京料理“湯豆腐” * * *

昼食は観光の途中であり、また時間的な制約もあり、必然的に寺社の近くで食事となることが多い。寺社の周りには、有名な湯豆腐の店が多く、外国人にも、外国にはない珍しいシンプルな料理であり、さらにヘルシーということで喜ばれる。
ただし、彼らには余りにもヘルシー(低カロリー)なのですぐに腹がへるらしく、続けて同じものをアレンジすることは出来ない。

また、一般に落ち着いた雰囲気の京都らしい湯豆腐店は座敷が多い。慣れない外人にはこれが苦痛のようで、食事を終えても、足がしびれてしばらくの間立ち上がれないことがある。

* * * 京料理“京懐石 ”* * *

夕食は時間的に余裕があり、ゆっくり時間をかけて料理が出てくる懐石料理や会席料理となる。
この“会席”と“懐石”の違いについては、ガイドブックによると、会席料理は酒席を前提としており、酒の肴にするような料理であるが、懐石料理は茶席を前提とした料理であり、茶菓子とその後のメインの茶席の前に小腹を満たしておくための食事とのことである。 したがって、そのボリームも少なく、空腹感を満たすために懐に石を入れたことで、その名がついたと言われている。 
京都は、茶道が発達したところで、この懐石料理の店や茶菓子の店が実に多い。
夕食は、京都らしい雰囲気の残っている祇園近辺の懐石料理の店を案内することが多い。懐石料理は、京都の旬の野菜などを食材にして、細かく手の込んだ調理で芸術品みたいな料理が、少量づつではあるが、次から次へと出てくる。その度、外人からこの食材は何かと聞かれ、私は辞書を片手に説明することになる。
一方、会席料理も夏場であれば、川床などでの会席料理が雰囲気があり喜ばれる。
(舞妓は、芸妓になるまで髪型を最初の“割れしのぶ”から5回も変えるとのことで、髪型で舞妓の年季の度合いが分かるそうである。今回の舞妓さんは9月の花の桔梗の簪をしていた。このときは、仕事の上とは言え同席している私も楽しい時である)

会席も懐石料理も外国人を接待するとなると、それなりに雰囲気の良い店となるが、値段は決して安いとは言えない。少なく見ても一人あたり“ン万円”を下らない値段の高い料理である。
しかし、京料理は寺社の精進料理の影響を受けたためだろうか、一般に季節の野菜などをとりいれたヘルシーな料理である反面、カロリーが少なく、大食漢の外人の腹を満たすわけにはいかないようだ。つまり、京料理は値段の割には物足りないようである。
かって、中国人の要人を案内したときは、懐石や会席の後、少し物足りないようであったので、ラーメン店に連れて行き、1000円にも満たないラーメンをご馳走したところ、これを非常に気にいり、それからは懐石や会席での夕食が済んだ後は、連夜続けて、旨そうなラーメン店を探して連れていった。
そして、京都観光の最後の日に、京料理はどうだった?と感想を聞くと、
曰く、『いやー、京都のラーメンは最高に旨い、一番です!』
 

(その2:完)

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